刑事弁護コラムの12本目は「否認事件は"複数弁護士で対応"が基本」です。

◆ 否認事件の場合、依頼者の心は自白事件以上に大きく揺れがち

否認事件の場合、依頼者の気持ちは、自白事件以上に大きく揺れがちです。

「有罪になってしまうのではないか、不安なので、励まして欲しい」
「今どういう状況にあるのか、冷静に分析して欲しい(有罪になった場合の備えも含む)。」

はっきりと言葉に出される方は多くはおられませんが、接する様子から、私なりに分析すると、大きく分けて、ある種真逆の2つのお気持ちを、持っておられる方が多い印象を受けます。

◆ 複数の弁護士からアドバイスをする方が依頼者の要望に応えられる

これらの相談に対応するためには、一人の弁護士だけからアドバイスを行うよりも、複数の弁護士からアドバイスをする方が、依頼者の方の要望に、十分に応えることができます。

また、否認事件は、前回述べたように、事案の性質上、どうしても、作業量が増えてしまいがちである上に、有罪無罪の結果が与える重大性に鑑みると、弁護士同士による相互チェックが不可欠であると言っても、過言ではありません。

そのため、私が否認事件を受任する場合、基本的には、複数弁護士で対応させていただいています。その際の弁護士費用をどうするかは、その時々の状況に応じて、ご相談させていただくことになります。