刑事弁護コラムの9本目は「私に刑事弁護(特に示談)の依頼を検討されている方へ」です。

◆ 示談成立にあたっては、被害者の方の利益を十分に考慮・検討することが一番の近道

私が、示談(交渉)を進めるにあたり、依頼者の方の表面的な利益ばかりを追及することは、100%ありません。

本コラムに目を通していただければ分かるように、被害者の方の利益を十分に考慮・検討することが、迂遠(うえん)なように思えても、示談成立にあたっては、一番の近道である、と私は考えているからです。

「やっていないが、とにかく早く出たいので、相手を上手く丸め込めて欲しい。」
「お金さえ渡せば、後は弁護士さんが何とかしてくれるのではないか。」

等の要望を、私が字面通りに受け付けることは100%有りません。

そのような弁護活動を期待される方は、適正な信頼関係を築くことが困難ですので、もともと私に依頼されない方がよいでしょう。

示談(交渉)の最中、私が苦言を呈させていただく場面は多々あろうかと存じますが、以上のことを十分にご理解の上、私への依頼を検討していただければ幸甚です。

もちろん、「示談金目当てで嘘の被害をでっち上げている人の肩を持つのか」と言っているわけではありません。そのように考えられるケースでは、正面から否認を貫くべきといえます。
本項で念頭に置いているのは、あくまで示談(交渉)の依頼を検討されているケースであり、示談(交渉)の伴わない否認事件については、改めて述べさせていただきます。