1.養育費の支払い方法

養育費の支払いは毎月払いが原則です。養育費というのは子どもの生活費であり、その都度必要とされるものであるからです。

したがって、当然に将来の養育費分を一括して支払ってもらうことはできず、一括払いをしてもらうには相手方が合意することが必要となります。

しかし、一括払いとなれば金額が高額になること、親権者となる者(通常、母親であることが多いです。)が子どもの養育費として使用してくれるかどうかに対する不信感、養育費を一括払いすることで以後子どもと面会できなくなるのではないかという不安感等から、相手方が一括払いに合意することはまれです。

2.養育費の算定

また、養育費については、裁判所実務の積み重ねにより一定の算定方式・算定表が確立されており、当事者間で養育費金額を合意できなければ、この算定方式・算定表を基に決められることがほとんどです。算定方式・算定表では、夫婦双方の実際の収入金額を基礎に養育費金額が決められます。将来子どもにかかるであろう費用を基に算定するわけではありませんので、子どもの大学までの進学費用を何らかの方法で算定し、その金額を養育費とすることは、相手方の同意がなければ、困難でしょう。

現在小学生ということであれば、将来の進学について具体的に決まっているわけではなく、各進学先が公立か私立かによっても費用が異なることや、一括払いの問題で述べた理由等も踏まえると、相手方が合意する可能性はかなり低いでしょう。

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