50件、という件数が、多いか少ないのかよく分かりません。

例えば、平成27年における交通事故に基づく損害賠償請求訴訟の新受件数は、東京地方裁判所管内で1657件、大阪地方裁判所管内で1731件、とされております。
これに対し、専門部である東京地方裁判所商事部(民事第8部)、大阪地方裁判所商事部(民事第4部)の年間の新受件数は公表されておりませんが、東京地方裁判所商事研究会が編集した「類型別会社訴訟Ⅱ」〔第三版〕によれば、「会社訴訟は、民事訴訟事件に占める割合は少ない」「このためか会社法の理解が十分ではないと思われる主張が散見される」と指摘されております。
私以上に会社訴訟に精通する弁護士を私自身存じ上げておりますので、50件、という数字が「多い」とまで自認するのは憚られますが、会社訴訟案件自体が比較的少ない現状を鑑みますと、決して少なくはないと思います。

内部紛争案件で、まず着目すべきポイントを教えてください。

保有株式数(割合)です。
社長派対反社長派、現経営陣対株主、株主対株主など、内部紛争案件の場面と性質によって意味合いは変わってくるのですが、相談に来られる方が支配株主か否か、お味方の株主を含めて何%の株式を保有しているのか、等によって、現実的に取ることの出来る選択肢は大きく変わるのが内部紛争案件の率直な実情です。
したがって、私が法律相談に乗らせていただく場合、まず最初に保有株式数(割合)を聞かせていただくことになります。