事例紹介
葬儀費用を負担しなくてはいけないのでしょうか。
Q. 葬儀費用を負担しなくてはいけないのでしょうか。
父が亡くなり、長女である私が慣習に従って喪主となり、父の葬儀が執り行われました。私は、父と疎遠で、長い間、実家に帰っておりません。葬儀の手配等は、実家の近くに住んでいる、叔父および親族等が行いました。私は、葬儀の手配等に一切関与していません。父の葬儀後、叔父から、葬儀費用全額を負担するよう請求されています。私は、葬儀を、より低額の費用で行うことが可能だったと考えています。私は、葬儀費用全額を負担しなくてはいけないのでしょうか。
A. 亡くなった方が予め自らの葬儀に関する契約を締結しているか、亡くなった方の相続人の間で葬儀費用の負担についての合意があれば、それに従うことになります。

亡くなった方が予め自らの葬儀に関する契約を締結しているか、亡くなった方の相続人の間で葬儀費用の負担についての合意があれば、それに従うことになります。これらにより、負担者が決められていない場合、葬儀費用を、誰が負担するかについて、法律の明文規定がなく、最高裁判所の判例もありません。関連する裁判例として、自己の責任と計算において、葬儀社等に対し、葬式に関する手続きを依頼する等して挙行した者が費用を負担するとの立場から、原告の請求を棄却した東京地判昭61・1・28があります。相談事例では、依頼者は、葬式の手続きに一切関与していないのですから、費用全額を負担する可能性は高くはありません。
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