Q. 夫の不貞行為が原因で離婚しました。夫は離婚した際は不貞行為を認めていましたが、現在は否定し慰謝料の減額請求をしてきました。
携帯電話には、不貞行為を認める相手女性のメールが保存されているので、証拠としたいのですが、その携帯電話は夫名義のものを婚姻中使用していたものです。
夫の弁護士から携帯電話の返却を求められています。メールは証拠価値が低いと聞いたことがあり、携帯を返却した方がよいでしょうか。それとも名義を変更する又は携帯電話を裁判所に提出するのがよいでしょうか。

A. 携帯電話の返却には応じず、名義を変更するのがよいと判断します。

メールの証拠価値について

メールは、リアルタイムで作られるものですので、内容等によっては、証拠としての価値は低くはありません。

メールの場合、アドレスや日時などの付属的な情報も入れないと実際の作成者や、作成日時、前後の文脈などが不明確になり、提出者側の主張の信用性が低下するといった文書とは違う点を考慮する必要がありますが、不貞行為を認める相手女性のメールとありますので、裁判において提出を検討したい証拠です。

相手方への対応について

問題となるのは、携帯電話は、主人名義ですので、携帯電話の所有権をご主人が有している点です。

そこでまずは、携帯電話の名義を夫から相談者に変更することを第1の目標とするのがよいと思います。どうしても難しいようであれば、携帯の中のデータをコピーしたうえで返却することになります。

なお、裁判の際、メールの記載内容を証拠とするには、携帯電話に表示されたメールの記載内容をデジカメなどで撮影し、プリントアウトしたものを証拠として提出することになります。