事例・コラム
結婚式衣装のキャンセル料金の支払い拒否について
A. 全額の支払を拒否することは困難と思われます。
以下の3点がポイントとなります。
1.契約は有効に成立している可能性が高いこと
2.合意解除も認められにくいこと
3.消費者契約法9条との関係について
1.契約は有効に成立している可能性が高いこと
民法上、個々の契約の成立は、当事者双方の意思の合致が認められれば有効に成立するのが原則であり、契約書にサインしない限り、あるいは内金を支払わない限り、必ず契約は成立しない、というものではありません。
規約書や契約書上、内金の支払が本契約の要件とされていればともかく、そうでない限り、
・Bは仮契約を拒否していたこと(仮契約と解することが困難)、
・相談者は本契約のために規約書に署名をしたこと、
・Bが現実に取り置きしていたこと、
・相談者としても、Bの支払督促に対して、本契約の意向で、内金支払の猶予を申し入れていたこと、
等からすると、衣装のレンタル契約の成立そのものが否定されるのは、考えにくいと思われます。