事例・コラム
取締役会議事録や株主総会議事録を作成しない場合、法律上、何か問題があるんでしょうか。
Q. 取締役会議事録や株主総会議事録を作成しない場合、法律上、何か問題があるんでしょうか。法律で罰せられることもあるんでしょうか?
(画像はイメージです)
当社は、1970年創業の玩具卸売業者で、大阪府内で商いをしています。
発行済み株式総数4万株(額面上は1株500円)、株主5名、取締役3名の小規模会社です。
5名の株主は、創立者とその親族で、取締役3名のうち、2名が創立者の子(長男と次男)、1名がもう一人の創立者の弟です。
当社は、いままで、まともに取締役会議事録や株主総会議事録を作ったことがありません。登記の変更の際も、税理士や司法書士に任せっきりでしたが、これまで、不都合を感じたことはありませんでした。
取締役会議事録や株主総会議事録を作成しない場合、法律上、何か問題があるんでしょうか。法律で罰せられることもあるんでしょうか?
A. 取締役会議事録・株主総会議事録が作成されていないことは、法律論からいえば、問題があるといわざるを得ません。
取締役会議事録についても、株主総会議事録についても、会社法上、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならないとされています(会社法369条3項、318条1項)。
ご指摘のように、取締役会議事録・株主総会議事録が作成されていないことは、法律論からいえば、問題があるといわざるを得ません。
ちなみに、取締役会議事録・株主総会議事録を作成しないことそのものを罰する規定はありませんが、株主総会議事録については、会社は株主総会の日から10年間、株主総会議事録を本店に備え置かなければならず(同法318条2項)、これを怠った取締役は、100万円以下の過料の制裁を受ける場合があります(同法976条8号)。