弁護士コラム
破産手続に対する誤解や偏見(弁護士中村真二)
法律相談等を受けていると、まだまだ、
「破産すると、全ての財産を没収されるのですか?」
「破産すると、職を失うのですか?」
「破産すると、選挙権を失うんですか?」
等といった、悩みや不安を打ち明けられることがあります。
以前よりも、破産手続きは、一般市民の方のとって、馴染みのある手続きとなった感はありますが、手続きに対する誤解や偏見は、根強いものがあるなあ、と感じざるを得ません。
破産をしても、全ての財産を失うわけではなく、自宅に置いてあるテレビや冷蔵庫、洗濯機などの家財道具が全て没収される、あるいは、家中にペタペタと「差押え」の紙が貼られていく、ということは、まずあり得ません。
弁護士や会計士等、法律で規定された一定の職を除き、原則として職を失うこともありませんし、選挙権を失うことも、当然、ありません。
誤解を恐れずいえば、個人的には、「破産法」という言葉そのものが、誤解や偏見を生じさせている面があるのではないかと思います。
「財産整理法」「負債整理法」等、馴染みやすい名称に変更すれば、手続きに対する一般市民の方の誤解や偏見は、随分と様変わりするように思えます。