事例紹介

株主総会の開催にあたっての8つのご質問(前編)

Q1.当社は、大阪市でソフトウェア開発を行っている会社です。

この度、社内で経営紛争が生じ、はじめてまともに株主総会を開催することになりました。後々揉めないように、開催にあたっては、法定の段取りを踏襲したいと考えています。

まず、株主総会を開催する際には、どのような手続を踏まなければならないのでしょうか。

A1.会社法は、株主総会の開催にあたって、次の通り規定しています。

第二百九十八条
取締役(前条第四項の規定により株主が株主総会を招集する場合にあっては、当該株主。次項本文及び次条から第三百二条までにおいて同じ。)は、株主総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。

すなわち、取締役(取締役会設置会社の場合、取締役会。同条4項)は、株主総会の開催にあたって、まず下記の4点を取り決める必要があります。

ただし、取締役会非設置会社では、当初の目的以外の事項を株主総会で決議することも可能であるため(会社法309条5項参照)、②総会の目的事項、を予め決定する必要は必ずしもありません。


Q2.当社は、池田市で広告業を営んでいます。株主のうち、できれば参加して欲しくない人物がいるので、できるだけ不便な場所で開催したいのですが、開催場所を取り決める上で、気を付けることはありますか。

A2.どの株主も、出席しやすい場所を選定する方が無難といえるでしょう。

定款により招集地の定めがある場合を除いて、基本的には自由ですが、僻地など、株主が出席しにくい場所を招集地とした場合は、招集手続が著しく不公正な場合として決議取消事由となり得ます(会社法831条1項1号)。どの株主も、出席しやすい場所を選定する方が無難といえるでしょう。

ちなみに、会社法施行規則63条2号では、開催場所が過去に開催したいずれの場所とも著しく離れた場所であるときは、原則としてその場所を決定した理由も招集の決議時に決定することを要求しています。


Q3.当社は、東大阪市で工作機械を製造する取締役会設置会社です。株主総会の開催を決定した後、株主の招集は、どのように行うのですか。株主の招集にあたって、取締役会の設置の有無によって何か異同はありますか。

A3.株主総会の招集手続は、当該会社が取締役会を設置しているかどうかによって変わります。

ア.取締役会設置会社の場合

取締役会において、まず、株主総会の開催日時・場所・議題・書面による議決権行使の可否などを決定し、その上で、(代表)取締役が、招集通知書を原則として開催日の2週間前まで(発送日と会日は不算入)に各株主に発送して招集する必要があります(会社法299条1項・2項)。非公開会社の場合は、開催日の1週間前までに短縮されています。

イ.取締役会非設置会社の場合

取締役会非設置会社では、取締役において上記の事項を決定し(取締役が2人以上の場合は、過半数により決定する)、各株主に伝えます。

法的には口頭による招集通知も可能です。

ただ、「後々揉めない」ということを念頭におくと、内容証明や配達証明を利用するなどして、可能な限り、書面で通知する方が望ましいでしょう。

また、書面による投票や電子投票を採用した場合には、招集通知と共に、株主総会参考書類や議決権行使書面を交付しなければならず、そのため、招集通知を書面または電磁的方法により送付することが必要になります(会社法301条2項)。


Q4.当社は、豊中市で菓子製造業を営む取締役会設置会社です。取締役会設置会社の場合、招集通知書の発送が、法的要件であるとのことですが、招集通知書には、どのような事項を記載しなければならないのでしょうか。

A4.取締役会設置会社の場合、招集通知には、日時・場所、議題等、取締役会で決定した招集事項を記載する必要があります(会社法299条4項)

なお、取締役会非設置株式会社では、(Q1)の(A1)で述べた通り、予めの議題以外の事項も株主総会で審議・決議可能なため、招集通知に特に議題を明記しておく必要もありません。


後編へ続きます。

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