事例紹介

学校内の喧嘩での怪我の治療費を請求したいのですが

Q. 私の息子が学校内の喧嘩で耳を負傷し、医師の診察において喧嘩前の聴力には回復不可との診断を受けました。場所が学校内であったため、独立行政法人日本スポーツ振興センターに障害見舞金の請求を行いましたが、不支給決定の通知が送られてきました。私達としては、センターへの不服審査請求を検討すると共に、加害者への損害賠償請求も再度検討しておりますが、どのような点に配慮すればよいでしょうか。

私の息子が、学校内で喧嘩をし、怪我を致しました。

耳を負傷し、約半年の加療を要したものの、医師の診察において喧嘩前の聴力には回復不可との診断を受けました。
当初、場所が学校内であったため、学校が契約する保険を利用し、加害者に損害賠償請求を行うことなく終わらせる予定で独立行政法人日本スポーツ振興センターに障害見舞金の請求を行いましたが、不支給決定の通知が送られてきました。

不支給理由は、本件は、「一耳の平均純音聴力レベルがほぼ40db以上70db未満のもの」とは認められず、省令第23条別表及び同表備考第6号に規定するいずれの障害の程度にも達していない、というものでした。

私達としては、センターへの不服審査請求を検討すると共に、加害者への損害賠償請求も再度検討しておりますが、どのような点に配慮すればよいでしょうか。

A. 不服審査請求前に、他の医師等の判断、診断を仰ぐべきです。また、請求は可能ですが、請求する際は息子さんの学校生活への影響のフォローを考えておく必要があります。

1 不服審査請求について

不服審査請求前に、他の医師等の判断、診断を仰ぐべきです。

「一耳の平均純音聴力レベルがほぼ40db以上70db未満のもの」(省令第23条別表及び同表備考第6号)かどうかは、あくまで診断書によって判断され、かつ、それが全てです。

検査は、純音聴力検査、語音聴力検査が主で、検査結果に不審がある場合は、ABR (聴性脳幹反応)、SR (あぶみ骨筋反射 )が求められます。したがって、不支給となったということは、同じ診断内容であれば同じ結果にしかならないことをまずご理解下さい。

診断の内容が不十分だった、ということであれば、他の医師等の判断を仰ぐ必要があります。他の医師等の判断でも診断の内容が同じだ、ということであれば、残念ながら不支給の判断を覆すことはできません。

以上の理由から、不服審査請求をされる前に、一度、他の医師等の判断、診断を仰いでいただく必要があると考えます。

2 加害者への損害賠償請求について

請求は可能ですが、請求する際は息子さんの学校生活への影響のフォローを考えておく必要があります。

時効期間内(3年)であれば、加害者への損害賠償請求は可能です。賠償してもらう内容は、治療費に限られず、通院慰謝料(実際の通院日数や通院期間によって算定)も請求可能です。
(交通事故でもそうですが)スポーツ振興センターで不支給だったからといって、裁判で、後遺障害の認定(交通事故で言えば、14級の認定の有無が争いになるケースです)が得られるケースもなくはないので、その意味でも、加害者への賠償請求は、現実的な選択肢の一つと言えるでしょう。

請求の方法は、

1 電話や面談
2 手紙
3 内容証明
4 裁判

など色々あり、相手方が請求に応じる見込みにあわせて、適宜の方法を選択することになります。

なお、一般的には、相手方への督促の強さの度合いは、「1(弱)→4(強)」となります。

ただ、「当初、場所が学校内であったため、学校が契約する保険を利用し、加害者に損害賠償請求を行うことなく終わらせる予定で」とのご指摘があった点は気に留めておく必要があります。

「保険が出れば、加害者には請求するつもりはなかったが、出なかったので、請求する。」
というのは、被害者側の理屈であって、加害者側が必ずしも納得できる理屈ではないからです。
要するに、加害者へ賠償請求すれば、加害者との関係が悪化する危険がある、ということです。

ここで、当職が指摘したいのは、「請求しない方がよい」ということではありません。

「請求するのであれば、上記のリスクを踏まえて対応した方が良い」ということであって、息子さんの学校生活への影響等やそのフォローなどを、しっかりと考えておく必要がある、ということです。学校生活を送るのは、他ならぬ息子さんですので、まずは、息子さんご本人も含めて、ご相談いただくのが良いかと存じます。

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