弁護士コラム

欠陥住宅問題について①~そもそも「欠陥」とは何を指すのか~

◆ 相談の出発点

大阪に限られる話ではないと思いますが、不動産トラブルの場面において、消費者の方からであれ、業者の方からであれ、欠陥住宅に関する相談を受けることがあります。

消費者の方からの相談であれば、相談をしてこられる方は、要するに、自らが想定する建物の状態と、実際の建物の現状との「差」に満足しておられないことが前提になります。

反対に、業者の方からの相談の場合、自社が施工ないし売買した物件に不備があるとして、注文者ないし買主から「クレーム」を受けていることが前提になります。

このような相談を受けた場合、その「差」や「クレーム」が法的保護の対象となる「欠陥」といえるかどうかを確認することが、相談の最初の出発点となります。

◆ 「欠陥」の対象は、大きく分けて、2つ

法的保護の対象となる「欠陥」とは、大きく分けて2つあります。

上記①を「主観的瑕疵(かし)」、②を「客観的瑕疵(かし)」と呼び、どちらの場合も、「欠陥」として肯定され得ます。

上記①の例としては、

注文者の年齢(建物完成時64歳)や身長(137.5cm)に限りなく配慮した設計・施工をすることが契約の内容となっていたにもかかわらず、窓・鏡・ユニットバス・換気扇スイッチなどの位置が、注文者にとって高すぎて不便をきたしている場合(京都地方裁判所平成13年10月30日判決の事案)

があり、上記②の例としては、

請負契約における当事者間で、本件建物の耐震性を高め、耐震性の面でより安全性の高い建物にするため、主柱につき断面の寸法300mm×300mmの鉄骨を使用することが特に約定され、これが契約の重要な内容になっていたにもかかわらず、この約定に違反して、同250mm×250mmの鉄骨を使用して施工した場合(最高裁判所平成15年10月10日判決)

などがあります。

◆ 「欠陥現象」と「欠陥原因」は区別する必要がある

相談をお伺いする際には、「欠陥現象」と「欠陥原因」を、混同しないように気をつける必要があります。例えば、床の傾斜という「欠陥現象」一つをとっても、それが「建物の施工の傾き」によるのか、「敷地地盤の不同沈下」によるのか、によって対処法は変わってきます。後者の場合であれば、傾斜した床の上に水平な床を施工しても抜本的な解決にはなりません。

このように、相談をお伺いする際には、表面的な「欠陥現象」ではなく、「欠陥原因」こそが本質的な「欠陥」であることに十分留意する必要があります。

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