事例紹介

元恋人が、私の写真を無断でポルノサイトに掲載しています。

Q. 元恋人が、無断で私の写真を、ポルノサイトに掲載しています。顔がしっかりと写っており、知り合いが見れば、私だとはっきり分かるので、大変迷惑をしています。元恋人の行動は、罪にならないのでしょうか?その他、解決にあたって、どのような方法があるのか、教えて下さい。なお、元恋人は、暴力団関係者です。

A.元恋人に適用される可能性がある罪(刑事罰)としては、「わいせつ物陳列罪」、「名誉毀損罪」などが挙げられます。問題の解決方法は、「掲載された写真を削除する」、「元恋人に刑事責任を問う」、「元恋人に民事責任を問う」のどのレベルで解決したいかによって異なります。

元恋人を「罪」(刑事罰)に問うことについて、元恋人に適用される可能性がある罪としては、以下の2つが挙げられます。

以下、順を追って説明します。

(1)わいせつ物陳列罪の適用可能性と処罰可能性

同罪の適用には、まず、写真が「わいせつ物」に該当することが必要です。そのため、掲載された写真が顔写真だけであれば、わいせつ物陳列罪等を問うのは困難です。

ただ、顔に止まらず、性器等を露出した写真(わいせつ物)を掲載したのであれば、掲載した人物(元恋人であれば、元恋人)は同罪が成立すると思います。

ただし、わいせつ物陳列罪は、個人法益に対する罪ではありませんので、個々人の権利侵害はそれほど重視されません。告訴もできませんし、(告発は可能でしょうが)同罪との関係では、現実問題として、捜査機関の判断に任せるしか無いと思います。

(2)名誉毀損罪の適用可能性と処罰可能性

「事実の摘示」は写真だけでもよい

名誉毀損罪の成立には、構成要件の一つである「事実の摘示」を満たす必要があります。もっとも、これは文字に限られず、写真や身振り、手振りなどだけでも成立し得ます。

写真の掲載の仕方により、貴女の評判(社会的評価)が害されるおそれ(あの人は、ふしだらな人だ、等)が認められるのであれば、「事実の摘示」といえるでしょう。

実際のサイトの構成を見ていないので、何ともいえませんが、「ポルノサイト」ということからすると、「貴女の評判が落とされる(使い方)」と判断される余地は十分にあるように思えます。

被害者の特定は顔写真で十分(私見)

ところで、名誉毀損罪を問うためには、被害者が特定されている必要があります。本件の場合、氏名等を開示しなければ、誰か分からないので問題ない、という反論もあるように思えますが、「顔」はまさに十人十色、個々人を特定するのに十分な情報と思われます。

実際、「知り合いが見れば、貴女とハッキリ分かる」程度のものなのですから、私見としては、当該写真だけで、被害者(貴女)の特定は十分と思われます。

結論としては、名誉毀損罪の関係で、被害届ないし告訴状を出すことは、更に検討する価値があると思います。

一連の解決策について

(1)どのレベルで解決したいか、をまず考える

解決方法としては、大きく分けて以下の3つが考えられます。

以下、順を追って説明します。

ア.掲載された写真の削除

写真の削除だけであれば、掲載されたサイトの管理者に対して、削除要請をして下さい。管理者が応じてくれ、かつ、転載もされていなければ、それで一応は終わりです。

管理者が応じてくれない場合、そのサイトに関係するプロバイダー(インターネット接続業者)を探し出して、プロバイダーに削除要請をして下さい。

プロバイダーは、プロバイダー責任制限法3条の関係から、削除要請に応じてくれることをある程度期待できます。(細かい説明はここでは省略しますが、仮に、プロバイダーが削除に応じなかった場合、プロバイダーに損害賠償責任が発生する場合があるためです)プロバイダーは、「whois検索」を利用して捜すことができます。

「whois検索」の使い方がよく分からない、どうしてもプロバイダーが見つからない、等、このレベルで困ったことがあれば、法務局(の人権擁護機関)等でも、相談を受けつけており、場合によっては削除要請の代行もしてくれていますので、こちらを利用すると良いでしょう。

イ.元恋人に刑事責任を問う

元恋人に刑事責任を問いたいのであれば、警察への被害届ないし告訴状の提出を検討することになります。

刑事訴追の必要性・相当性が高いとして、警察が本腰になって捜査してくれれば、元恋人からの報復行為の相談も乗ってくれるはずですので、一応は安心です。なお、暴力団関係者とのことですので、各所轄の暴力団対策課に相談すると良いでしょう。

ただ、警察は、軽微な事件の場合、なかなか本腰になって捜査してくれないのが現状です。

元恋人の刑事責任を問いたい意思が強いのであれば、場合によっては、ご自分である程度証拠を集めるなどして、警察が逮捕・起訴の見通しを立てやすいよう、ある程度の「お膳立て」を行う必要があります。

ご相談の事案では、プロバイダーに対する発信者情報開示請求を行って、「掲載者は元恋人」であることの証明が必須かと思われます。

もっとも、プロバイダーに発信者情報開示請求をすると、プロバイダーから発信者に連絡が行くので、元恋人が貴女の行動を察知する危険があります。

ご相談の事案では、証拠の収集を、ご自身でされるのは危険を伴うので、弁護士に相談して対応することも視野に入れておかれた方が良いかと思われます。

なお、当職は、暴力団絡みの事件も受けております。 (弁護士 芝原明夫(天空法律事務所)は大阪弁護士会民事介入暴力対策委員会元委員長です)

ウ.元恋人に民事責任を問う

元恋人に民事責任を問いたい場合(損害賠償責任)は、証拠を収集して裁判を起こすことになります。 証拠収集作業の大まかな流れは「イ.元恋人に刑事責任を問う」の場合と同様です。

そのため、証拠収集の過程で、元恋人が察知し、貴女の身辺に危険が生じる可能性は否定できないので、その場合でも、早めに弁護士に相談された方が良いと思います。

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