事例紹介

報酬を返金する必要があるのでしょうか?

Q. 報酬を返金する必要があるのでしょうか?

私はフリーライターです。 主に、A社の登録ライターとして繊維情報のリライト原稿を執筆・納品していました。

今回、問題になった記事は、A社を通じて、B社というコンサルティング会社のホームページに掲載されていました。 先月、私が参考にしているC社というニュースサイトの担当者からB社に「繊維ニュース記事のソースに、C社しか知り得ない内容のものが出ている。罰金を払ってほしい」という連絡が来たそうです。 C社はB社に対して罰金を求めたらしく、B社はA社に対して「全額支払え」と言っているそうです。そのため、A社から私に、「報酬として支払った額を返金してほしい」といわれました。

ただ、私がC社のサイトを参考にしたのは、A社から指定があったからです。 この仕事を始める際にも、A社からC社のサイトを参考にした原稿を見本品として提示され、「このように書いてください」という指示がありました。

私にA社への返金義務はあるのでしょうか?

A社によると、C社は、著作権違反を問題としているのではなく、ログイン(無料)した人しか見れないような、C社独自の情報を流用したことを問題としているようです。 私自身は知りませんでしたが、C社の利用規約には確かに、情報を使用する際は特別料金を支払うように書いてありました。

A. A社に返金する必要はないと思われます。

C社が、そもそも、B社に対して、「罰金」ないし「特別料金」を請求できるのかどうか、少し疑問がありますが、ご相談の趣旨からは少しずれますので、C社がB社に対して請求が出来るという前提で、回答いたします。

相談者とA社との業務委託契約は、民法上の請負契約ないし請負類似の契約であると思料(しりょう)されます。 請負契約では、仕事の目的物に瑕疵(かし)があるときは、請負人は、注文者に対して、目的物の瑕疵修補ないし修補代金、損害賠償を負うことになります(民法634条)。 これを、請負人の担保責任といいます。

本件でいえば、C社からB社に対して、「罰金」ないし「特別料金」の支払を請求できるのであれば、納品したリライト原稿には、瑕疵(不具合)があるといわざるを得ないでしょう。

もっとも、民法は、請負人の担保責任について、次のように規定しております。

「仕事の目的物の瑕疵が注文者の今日した材料の性質又は注文者の与えた指図に  よって生じたときは、適用しない。ただし、請負人がその材料又は指図が不適当  であることを知りながら告げなかったときは、この限りでない。」(民法636条)

本件でいえば、C社のサイトを参考にしたのは、A社から指定があったからで、かつ、「罰金」ないし「特別料金」が発生することを相談者は知らなかった、ということですから、A社に報酬を返金する義務はないと思われます。

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