起訴後の流れ

一般的な刑事事件の、起訴後の流れをご紹介いたします。起訴された場合には、裁判が行われます。多くの場合、勾留されたまま起訴されるため、被疑者の身柄は裁判が終わるまで勾留され続けることになります。執行猶予付きの判決の場合には判決の日に釈放されますが、実刑判決の場合には身柄の拘束は継続し、判決が確定すれば刑務所に入ることになります。

1.起訴~第1回公判期日まで

検察官は起訴状や起訴状謄本等必要な書類を裁判所に提出して、公訴の提起を行います。

裁判所は、起訴状謄本を受け取ったときは、直ちに、これを被告人に送達します。

その後、第1回公判期日が指定されると、被告人を召喚するため、被告人に召喚状が送達されます。第1回公判期日は、通常起訴日から約週4週間後となります。

2.保釈制度について

保釈とは、保証金の給付等を条件として、勾留の効力を残しながらその執行を停止し、被告人の身体の拘束を解く制度です。

保釈は、勾留されている被告人だけでなく、その弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族もしくは兄弟姉妹が請求できます。

現行制度上、保釈は公訴提起後の被告人についてのみ認められ、被疑者には認められていません。

保釈を許す場合には、必ず保証金額を定めなければなりません。

保釈率は平成元年に26.0%だったのが平成16年に13.2%となっており低下傾向にあります。

保釈を求めるには通常裁判所宛に保釈請求書および身元引受書を提出します。

大阪地裁では、保釈請求書を受理した後、当日かその翌日には裁判所(または裁判官)の保釈面接が行われています。

現在、大阪では,保釈保証金は最低でも150万円必要で、事案や被告人の資力に応じて、より高額となる場合もあります。そのため、保釈請求にあたっては原則、まとまった現金を準備する必要があります。

3.公判期日の流れ

冒頭手続き

1.人定質問

2.起訴状朗読

3.黙秘権の告知

4.罪状認否

裁判長は、被告人および弁護人に対し被告事件について陳述する機会を与えなければなりません。

この手続きは、検察官の起訴状朗読に対し、冒頭手続きの段階で被告人側に被告事件につき弁解、主張または申立て等をする機会を与えるものです。被告事件についての被告人または弁護人の陳述は、権利であって義務ではありません。

実務的には、この段階までに弁護士と被告人で協議の下、取り決めた大まかな方針を裁判所に伝えることが多いです。

5.検察官による冒頭陳述

起訴状一本主義の結果、裁判官は事件に対して白紙の状態です。検察官の冒頭陳述は、一方において、裁判所に対し事件の大要を知らせ、今後いかなる事実を証拠によって証明するかの立証方針を明らかにするとともに、他方、被告人側に検察官の立証方針に対応して十分防御の方法がとれるようその範囲を知らせることを目的とする手続きです。

6.弁護人による冒頭陳述

検察官の冒頭陳述の後、被告人または弁護人は冒頭陳述を行うことができます。被告人または弁護人の冒頭陳述は、検察官のそれと異なり、法的義務を負うものではなく、通常の裁判の場合は行わないケースも多いです。裁判員裁判の場合、弁護側が証拠により証明しようとする事実と取り調べられる証拠との関係を明らかにし充実した裁判をするため、冒頭陳述を行うことが望まれます。当職は、裁判員裁判の場合、積極的に冒頭陳述を行っています。

証拠調べには人証や鑑定書等があります。

人証とは、裁判所および裁判官に対して自己の直接経験した事実を供述する第三者のことをいいます。第三者の供述を証言といい証拠になります。

鑑定書とは、専門家が専門的知識・経験に基づく判断を記載した書面です。

7.被告人質問・最終弁論

被告人が任意に供述する場合には、裁判長はいつでも必要とする事項について被告人に供述を求めることができます。また、陪席の裁判官、検察官、弁護人、共同被告人またはその弁護人は、裁判長に告げて、被告人に任意の供述を求めるため質問することができます。証拠調べの段階で、この規定により被告人に供述を求める手続きを被告人質問といいます。

8.諭告

証拠調べが終わった後、検察官は、事実および法律の適用について意見を陳述しなければいけません。この検察官の意見を、通常、論告といいます。

9.弁護側による意見主張

証拠調べが終わった後、被告人および弁護人は、意見を陳述することができます。公判手続きの最終段階における弁護人の意見陳述を最終弁論といいます。弁論の目的は、訴訟の全過程を通じて行われた弁護活動の結果を集約し、証拠に基づき認定されるべき事実とこれに対して適用されるべき法律判断を周到かつ明快に展開し、裁判所に対し被告人に有利な判決を要請することにあります。

10.最終陳述

弁護人による弁論が終了すると、被告人に最終的な意見を陳述する機会が与えられます。

11.判決

判決には有罪判決と無罪判決があります。

有罪判決には刑務所に入る実刑判決や刑の執行(懲役刑であれば刑務所に入る)が猶予される執行猶予判決や保護観察があります。

4.判決について

有罪判決の場合

被告人が在宅の場合、実刑判決が宣告されたとしても、ただちに収容されることはありませんが、まれに勾留状が発付されるときがあります。

勾留中の場合、そのまま勾留が継続します。

実刑判決によって保釈はその効力を失うから、ただちに被告人の収容手続きが行われます。

保護観察は、保護観察対象者の改善更生を図ることを目的として、法定の指導監督と補導援護を行うことにより実施されます。

無罪判決の場合

勾留中の被告人に執行猶予ないし無罪判決がなされた場合、勾留状が失効するので、被告人の身体拘束が解かれます。在宅ないし保釈中の被告人に執行猶予ないし無罪判決がなされた場合、その身体拘束には何の影響もありません。

執行猶予

刑の執行猶予とは、有罪判決に基づく刑の執行を一定期間猶予しその間に罪を犯さないことを条件として刑罰権を消滅させる制度です。

執行猶予の条件に違反したときは、執行猶予が取り消されて刑に服さなければなりません。

また、執行猶予期間中に再度犯罪を犯すと前刑に加え再犯の刑を合わせた刑に服することになります。

執行猶予の言渡しがされると、判決が確定してもただちに刑の執行を受けることはありません。しかし、刑の言渡しに伴い法的な不利益を負うことがあります。例えば、再度の刑の執行猶予の制限事由となり、また一定の資格制限または失職の事由となる等です。

初度の執行猶予を言い渡すことができるのは、言い渡すべき宣告刑が3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金です。

執行猶予がつくかどうかは、犯人の性格、年齢および境遇、犯罪の軽重および情状並びに犯罪後の情況等を総合して判断されます。

執行猶予の期間は、裁判の確定した日から1年以上5年以下の間で決まります。

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