事例・コラム
株主が死亡した場合の、相続人による名義書換請求
Q1.株主が死亡した場合、相続人は、どのような手続により名義書換請求をすればよいのですか。
A1.相続人は、株式取得者として名義書換請求を行うことができます(133条1項)。
名義書換請求は、原則として譲渡人と譲受人が共同して申請しなければなりません(133条2項)。しかし、相続人は、共同して申請することができません(元の株主が死亡しているため)。では、どのような方法で申請することになるでしょうか。
株券発行会社の場合、相続人が株券を会社に提示することにより、書換請求を単独で行うことができます(会社法規則23条2項1号)。
また、相続人(あるいは共同相続人全員)が、以下のアイの事実を証明した場合も、単独で名義書換をすることができます。
- ア.株主名簿上の株主の死亡
- イ.自らが株式を相続により取得したこと
このうち、アについては、除籍謄本を提出することで証明することができます。
イについては、戸籍謄本、遺産分割協議書、共同相続人全員の印鑑証明書で証明することができます。
Q2.会社は、相続人からの名義書換請求を拒否することは出来ますか。
A2.会社は、相続人から、適法な名義書換請求が行われると、これを拒否することはできません。
そのため、当該相続人が株主となることに問題があると考える場合、名義書換請求がなされるまでに、対策を立てることが必要になります。
では、どんな対策があるのか、次項でみていきます。(次回に続きます)